11 
東海障害者歯科臨床研究会
総会および学術大会の報告




              
ご挨拶

         第11回東海障害者歯科臨床研究会
               大 会 長:糸山 暁 



 

平成217月、第1回東海障害者歯科臨床研究会が開催されてから10年。元号が令和に代わり「令和初」の第11回研究会総会および学術大会を、去る721日(日)愛知県歯科医師会館で開催し、181人のご参加を頂きました。誠にありがとうございました。
 私事、数年前より「この国は、一億総見守り社会にパラダイムシフトすべきでは!?」と思う様になり、この度の研究会大会テーマを「障がいのある方々を地域で診る・見守る」とさせて頂き、1年間準備を進めて参りました。
 午前の部の第9回認定研修会と午後の部のシンポジウムでは、講師の藤井先生・忠平先生・鍋田先生・栗木先生に、大会テーマの意図を充分にご理解頂き、講演・発表に盛り込んで頂きました。
 また今大会では、弘中先生に「理事長講演」を賜り、日本障害者歯科学会本会の方針や理事長のお考えをご教示頂きました。「歯科衛生士の情報交換会」でも、今回の大会テーマを課題としてグループワークをして頂き、闊達な意見交換の場となったとの報告を受けました。懇親会では、例年の形を崩して会館内での「茶話会」とさせて頂いたので、ご不満もあったかと思いますが、名古屋名物などご賞味頂けたかと思います。
 私の様な者に大会長が務まるかどうか?昨年11月からの本格的な準備の段階で時折不安に思う事もありましたが、おかげさまで何とか無事に終える事が出来まして、講師の先生方やご参加頂きました方々からありがたいお言葉を頂戴し、ホッと胸をなで降ろしております。これもひとえに、本研究会会長の名和先生はじめ研究会事務局の皆様方、当日ご参加頂いたたくさんの皆様方からの「ご理解と篤い想いの賜物」だと、感謝致しております。改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。そして、準備委員長の安藤先生はじめ、当会スタッフの皆さんにも感謝致しております。来年は三重県の皆様方が第12回大会を主催されます。

ご盛会を心より祈念致しております。

               第11回東海障害者歯科臨床研究会総会および学術大会

                主催:(一社) 名古屋市歯科医師会

                   名古屋歯科保健医療センター



参加状況

参加人数:181名

内訳:日本障害者歯科学会 指導医・認定:12名 認定医:57名
   日本障害者歯科学会 指導・認定歯科衛生士:7名 認定歯科衛生士:28名
   研究会会印・一般:77名




研究会の風景

午前の部:10:00~11:30 (歯~とぴあホール)

Ⅰ.第9回東海障害者歯科臨床研究会認定研修会 座長:瓜生和貴
演題:「超高齢社会と摂食嚥下障害」
講師:九州歯科大学歯学部口腔保健学科多職種連携教育ユニット教授
   九州歯科大学附属病院地域包括歯科医療センター長
   藤井 航 先生











Ⅱ幹事会:12:00~12:50(101研修室)幹事:51名出席


午後の部

Ⅳ.総会:13:00~13:20(歯~とぴあホール)研究会会長:名和 弘幸 先生

Ⅴ.学術シンポジウム13:20~14:50(歯~とぴあホール)座長:穂坂一夫 先生
  シンポジウム課題:「障がいのある方々を地域で診る・見守る」
 ①忠平守 先生 名古屋市健康福祉局生活福祉部「行政の立場から」
 ②藤井航 先生 「大学と地域との連携・地域包括歯科医療センター長の立場から」
 ③鍋田伸郎 先生 「岡崎歯科医師会の取り組み」
 ④栗木みゆき 先生 「(はねっと)の取り組み・歯科衛生士からの立場から」



忠平 守 先生



藤井 航 先生




鍋田 伸郎 先生




栗木 みゆき 先生




シンポジウム



Ⅵ.理事長講演:15:00~15:45(歯~とぴあホール) 座長:糸山 暁
 

演題:「これからの我が国の障害者歯科」
     講師:一般社団法人 日本障害者歯科学会理事長
         昭和大学歯学部スペシャルニーズ口腔医学講座口腔衛生学部門教授 弘中祥司 先生






Ⅵ.15:50~16:20 歯科衛生士の情報交換会(101研修室)参加者数:28




グループワーク


Ⅶ.16:30~17:30 懇親会(茶話会)(歯~とぴあホール)参加者数:77名







参加者Voice

          第11回東海障害者歯科臨床研究会 総会および学術大会に参加して 
                             (公社)岐阜県歯科医師会 理事
                                      良盛 典夫

 2019年7月21日(日)愛知県歯科医師会館「歯~とぴあホール」にて第11回東海障害者歯科臨床研究会学術大会並びに幹事会総会が糸山暁大会長のもと開催された。午前中に第9回東海障害者歯科臨床研究会 認定研修会では演題:「超高齢社会と摂食嚥下障害」で講師として藤井 航先生(北九州歯科大学 口腔保健学科多職種連携教育ユニット教授)が演台に立たれた。超高齢社会を迎えるにあたって、高齢者の嚥下特性から検査・訓練法の紹介、最後に歯科が関わる必然性を理論立ててお話していただいた。
 昼休み幹事会・総会をはさみ、午後から第11回東海障害者歯科臨床研究会 学術大会シンポジウム「障がいのある方々を地域で診る・見守る」として、行政の立場から、大学と地域との連携・地域包括歯科医療センター長の立場から、地域歯科医師会の取り組み、歯科衛生士の立場など5名の先生方がおのおのの立場から障害者医療を取り巻く課題と現状を報告された。5名とも立場の違いはあるにせよ障害者歯科医療をこれからいかに充実させていくかを語り合い有意義なシンポジウムであった。
 最後に一般社団法人 日本障害者歯科学会理事長 弘中祥司 先生が登壇され、これからの障害者歯科医療の在り方や治療の特異性、困難性を開設し、我々歯科界では地域格差や診療拒否が未だにある事を指摘された。
 この世の中には障害がある人と、これから障害を持つ人の二通りしかないと言われている。痛いと言うことを伝える事すらできない患者さんや、どこに頼っていいのかわからない介護者等にいかに寄り添えるかが大切だと思う。自分では口の中の手入れができない人たちへの歯科医療を、自分の事として置き換えて考えられる歯科医療人になりたいものである。
     




参加者Voice

        第11回東海障害者歯科臨床研究会 総会および学術大会に参加して
                                 
                                四日市市歯科医療センター
                                  歯科衛生士 松岡陽子

 令和元年7月21日第11回東海障害者歯科臨床研究会 総会および学術大会に参加させていただきました。私自身、障害者しかでの経験が増えるものの、「どの様に対応を行えばよいか、こんな場合はどうしたらよいか」「指導歯科衛生士としての認定歯科衛生士の育成について」や「新人歯科衛生士教育について」など日々の診療の中でどのように行っていけばよいかまだまだ悩む部分は多くあります。今回「障がいのある方々を地域で診る・見守る」という大会テーマで午前と午後に分けてのご講演がありました。午前は藤井航先生のご講演で「障がいのある方々の高齢化と摂食嚥下障害」という演題で、摂食嚥下の基礎を発生学、解剖学の観点からのお話や超高齢化社会において「食」に求められる役割を今後の歯科で担っていかなければならない事を学びました。高齢者がいつまでも好きなため物を自由に食べ、なんでも咀嚼できる口腔を維持するために歯科医療従事者として何ができるかを常に考えていきたいと思いました。
 午後からは学術大会シンポジウムがありました。大会テーマをもとに4人の講師の先生のお話を拝聴しました。忠平守先生は「行政の立場から」名古屋市歯科保健センターの取組みのお話しでした。藤井航先生は「大学と地域との連携・地域包括支援センター長の立場から」のお話で現在の大学や地域連携について訪問歯科診療や摂食嚥下での取組みのお話でした。鍋田伸郎先生は「岡崎歯科医師会の取組み」のお話で、歯科医師会での障害者歯科の活動内容や障害者の方との関わりについてのお話でした。最後に栗木みゆき先生は「(はねっと)の取り組み・歯科衛生士の立場から」のお話で、岐阜県の歯科衛生士グループはねっとの取り組みをお話しされました。
 いずれの先生のお話も障害者に真正面から向き合ってそれぞれのお立場から障害者・児を支援されておられました。おそらく会場にいた多くの障害者に関わる私たち自身の診療場面と重なりあった部分も多かったのではないでしょうか。今後は障害者・児の患者にとって安全かつ負担の少ない障害者歯科医療体制の仕組みを整備するため、病院歯科、口腔保健センター、開業歯科医療機関との間での役割分担や連携体制の構築についてこの東海障害者歯科臨床研究会で共有し、今後の発展に繋がっていけばよいと思いました。
 研修会の後は、歯科衛生士の情報交換会があり各地域で活躍されている歯科衛生士が集まり私が悩んでいた「認定歯科衛生士の育成について」や「職場での困りごと」などさまざまな歯科衛生士のお話を聞くことができ、有意義な情報交換がなされました。その後の懇親会では多くの医療機関の歯科医師・歯科衛生士の交流があり、現場を越えて深まる絆は私たちの大切な財産となるでしょう。障害者歯科に関わる皆さんが顔の見える関係になりましたのも、この東海障害者歯科臨床研究会があっての事たと思います。